英語の会議にみるみる強くなる本―相手が「話の論点」をすりかえてきたら、こう切り返す!



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英語の会議にみるみる強くなる本―相手が「話の論点」をすりかえてきたら、こう切り返す!
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TOEICで900点のスコアがあっても、欧米人との議論がうまくいくわけではないという本書の指摘は、英語を特訓中のビジネスパーソンにとって気になるところだろう。著者は、日本人の英語ベタ、議論ベタは、英語力だけではなく、欧米人と日本人の「コトバ」に対する意識の違いを認識していないことが原因だと主張。双方の「コトバ」の文化の違いを説きながら、どうすれば欧米人と対等に議論できるかを指南する。

たとえば著者は、欧米人は言い訳ばかりで反省しないといわれるが、欧米人にとって「反省」はあくまで自分の心のなかでのことで、もし自分の欠点やミスをあえて語れば「ネガティブな人」とレッテルを貼られるのがオチだという。そんな欧米人を説得するには「逃げ道」を残した批判が有効だとして、いくつかのフレーズを紹介する。

こうして本書では、「根回し」「反論」「自己主張」などのキーワードを読み解くほか、欧米人がよく用いるロジックや詭弁術の対抗策を示したり、議論で欧米人を不快にさせるしぐさや行動を紹介したりもする。最終章にまとめた「いざというときに使える議論の英語」をはじめ、実用的な英語表現を全体に散りばめたのが特徴である。

言語が文化そのものなら、文化の理解が英語力アップの近道だという著者の視点はうなずける。そのために必要な心構えも強調しており、生きた英語力を磨く一助になるだろう。一部で米国の東部と西部の違いに触れているが、そうした「欧米人」のなかでの「コトバ」の差異はもう少し教えてほしいところだ。(棚上 勉)



「上司が突然外国人」の私には有難い本

 外資系企業の買収によってある日突然、上司(そして部下)がアメリカ人、オーストラリア人、フランス人になってしまい、彼らとの会議に毎日胃痛・頭痛を起こしている私にとってはじつに有難い本。
 「反省しない」欧米人の「言い訳」に対して逃げ道を用意しておくとか、「論点のすり替え」に対抗する術など、読んでいて「なるほど!」と思わせる箇所ばかり。
 ただ、内容的には納得できる点が多いのだが、盛りだくさんすぎて、自分の中で消化するのがつらいと感じる読者もいるのでは。
 私としては、大事な会議や出張に行く前に2、3セクションを「おさらい」して読む、というような使い方をしている。
 常に問題意識をもって相手の論理に耳を傾け、詭弁に惑わされない姿勢を身につけるためのトレーニングブックと考えたらいいのかもしれない。
問い続ける精神

本書は異文化コミュニケーションの実体を特に「英語の会議」に的を絞り込んで分析・詳述した比較文化論であると言えよう。

ロゴスの歴史と伝統に深く根ざした西洋文明社会の中で育まれた論理(「議論のDNA」)と本居宣長が「敷島の大和心を人問はば 朝日に匂ふ山桜花」と詠じた詩の中に表現された大和民族固有の歴史と伝統の中で培われた論理がどのようにすれば最も生産的に、積極的に、尚且つ創造的に出会うことができるのかという命題に敢然と挑んだ意欲作である。

「おわりに」の中で「違いに対して寛容な気持ちを持って接する姿勢」の重要性と共に「異文化を絶対化せずに、良い面から「真似」び、自国文化の弱い面を補完していく姿勢」の大切さが記述されているが、著者の本書執筆の意図も「西洋」対「日本」と言う対立・対決姿勢の図式ではなく、「問い続ける精神」である西洋文明の精神との対話を通して自国文化をより豊饒なものへと止揚(アウフヘーベン)したいという強い願望に則っていると言えよう。

 言葉は文化であり、文化は言葉に体現されている。21世紀は対話と共存の世紀であり、異文化コミュニケーションの重要性はますます増してきていると言えよう。異文化ウォッチングを趣味とする著者との本書を通しての対話・語らいは必ずや読者の教養を深めてくれるものと確信している。
著者の幅広い教養としなやかなバランス感覚が垣間見える好著

 来月イタリアで開催される国際会議に出席してヨーロッパ人たちと英語で討議を行なうことになったため、参考になるのではないかと手にしてみました。

 200頁強の長さに比較的サイズの大きい文字で書かれた本書は、さほど時間をかけずに通読することが可能です。

 ベルギー在住で日本企業の欧州投資アドバイザーを務める著者には豊富な異文化体験があります。その体験に照らし、さらには古今東西の書物から箴言の数々を引き写しながら、日本人の議論下手の文化的背景や、会議相手の詭弁を見分ける手立て、英語会議にのぞむ心構えなどを提言してくれています。

 もちろん会議で切り返す上で役立つ英語例文も掲げられています。

Let’s see how we could go about it, in view of the constraints.
制約条件の中でどこまでやれるか考えてみましょう。(否定的な意見に対して積極的な姿勢を示す。)

I’d like to share another way of looking at this.
別の視点から見ることもできます。(相手の意見に反論する。)

Seems like I haven’t had a chance to give my opinion so far.
まだ発言の機会をいただいていないようですが。(自分の意見を述べる。)

 著者は、欧米人は必ずしも議論上手ではなく、意見をまとめる前にしゃべり始めたり、一見もっともそうな意見を言っているようで実は穴の多い論理展開であったりする場合もあると読者を安心させてくれます。だからこそ「いいかげんなものにまどわされないためにも、健全なる猜疑心(healthy skepticism)を持って相手の話を聞く姿勢が大切」(145頁)と綴る著者の言葉が胸に響きました。
英語の会議に出る勇気が出ます

英語でディスカッションをする必要があり、急いで購入した本です。海外出張の飛行機の中で読めるぐらいのさらりとした文章で、今後海外に行くときには毎回携帯しようと思っています。

勿論、英語そのものの勉強はしなくてはならないのですが、英語のテストはそこそこできるのに、どうも会議になると気後れしてしまうという方には是非読んで、勇気をつけていただきたいと思います。
「議論のDNA」を持つ人々と会議をするには...

巷に溢れる「会議用英語表現集」とは一線を画し、英語で議論をするためのメンタルトレーニング、テクニックに重点を置いた一冊。

英語での会議が苦手と言う人は、英語そのものが苦手なのではなく、(欧米流の)議論が苦手なのではないだろうか、というのが著者の指摘です。古代ギリシアから脈々と連なる「議論のDNA」を持つ欧米人に対して、沈黙、謙遜を美徳とする以心伝心気分が抜け切らないまま会議をしてもダメ。薄っぺらな表現集を暗記する前に、まず欧米人の「議論」に対する考え方を学び、その考え方に慣れることがまず大切です、という趣旨。

ところどころ矛盾した主張点も目に付きますが、著者の主張には全面的に賛成します。ある意味では、画期的な本であると言えるでしょう。

構成がよく練られているため、非常に読み易く(字がやたらと大きいというのもありますが)、2〜3時間ほどで読み終えられます。海外出張の飛行機の中で読むには丁度良いかも....。



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